古稀夫婦 グラフィック展
夫婦で四半世紀、デザイン業を営み、県展のデザイン部門で特選を受賞するなど活躍している今治市国分の大久保雄三さん(70)と妻ヤヨイさん (70)が、これまでの道のりを振り返る作品展「気がつけば 共に古稀(こき) グラフィックふたり展」を同市常盤町の市立中央図書館で開いている。15 日まで。(奥原慎平)
大久保さん夫婦は雄三さんの父親が経営していた看板制作会社で働いていた頃に知り合い、25歳で結婚。20年後の1985年、「一つの区切り。2人だけでチャレンジしよう」と独立した。
自宅にデザイン事務所を構え、店舗看板をはじめ、大三島にある大山祇(おおやまづみ)神社の案内看板やイベント用のグッズの絵柄、幼稚園のスクールバスの絵柄に至るまで幅広いデザインを手がけてきた。
事務所開設当時は手描きだったが、90年頃、「デザインの世界にもパソコンの技術が必要」と感じ、いち早くコンピューターグラフィックを導入。慣 れないパソコンを駆使しながら仕事の幅を広げ、99年には、県などが発注した瀬戸内しまなみ海道の開通記念イベントの記念ポスターの作成を請け負うまでに なった。
雄三さんは、輪郭がはっきりした直線的なデザインが特徴なのに対し、ヤヨイさんは曲線を使った柔らかなイメージのものが多く、正反対。仕事場では、互いの意見をぶつけ合ってケンカになることもしばしばだったという。
商売のかたわら、「依頼主の注文を受けて制作するだけでなく、自分たちの思いを前面に押し出せる作品も作ってみよう」と、2001年から県展デザイン部門への出展に挑戦し、雄三さん、ヤヨイさんそれぞれ3回、特選を受賞した。
今回の展覧会は、県展への応募作品などデザインポスター約30点を展示。はだしの子どもたちの足元を撮影した写真と紙幣や貨幣の写真を合成して、 発展途上国の子どもたちを救うために寄付を呼びかけたものや、漆黒の宇宙の中で「PEACE(平和)」の文字が壊れる様を表現することで、平和を訴える作 品などがある。
2人は「25年間、困難もあったが、楽しく仕事ができたのは夫婦で手を取り合ってやってきたからこそ」と話している。
月曜休館。午前9時半~午後7時。
(読売新聞より抜粋)
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