パンフレットや会社案内の表紙や裏表紙について
パンフレットや会社案内、カタログの表紙や裏表紙について
表紙や裏表紙についてはさまざまなパターンがありますが、パンフレットや会社案内など、改めていくつか例を挙げて考えてみようと思います。
まず、表回りの呼称についてですが、印刷業界や出版業界をルーツとする呼称で表紙は表1(いち)、裏表紙は表4(よん)、表1の裏側は表2、裏表紙の裏側が表3と呼ばれています、実際に当社のようなデザイン制作会社や印刷会社とのやり取りではそのような呼称が出てくる場面もあるかと思いますので覚えておいていただけるとやりとりがスムーズになるかも知れません。
会社案内の表紙や裏表紙についての事例1
では、実際に事例を見ていきたいと思います。
ユーザーの手元にどのような形でパンフレットや会社案内が届くか、またそれを開く、読むシチュエーションも考慮しながら事例も交えて考えてみたいと思います。
まずはスタンダードなリクルーティング用パンフレット(入社案内)の事例です。
表紙・裏表紙共にシンプルな仕上りで情報量は非常に少なくなっています。それでいてカッコいいですよね。
近年、入社案内の全てのコンテンツに言えることですが、採用パンフレット・入社案内というツールはターゲットである学生さんに響くよう、趣向を凝らしてデザインされたものが多くなっています。
20年・30年前であれば、入社案内にはその企業にどのような成長性があるか、歴史があるか、安定性があるか‥‥といった、企業の長期の安定性を約束するような表現が多く見られていたかと思いますが、終身雇用は幻想になりつつあり、企業に入社しても転職やキャリアチェンジすることも一般的な現在では、長期的な雇用の補償や安定より、具体的にどのような環境で、どのような人達と、どのように成長してどのように自分の市場価値を高められるかという点をリアルに掘り下げて表現する入社案内が多くなっているように感じます。
そのような状況を踏まえて、この入社案内の表紙のデザインの話に戻ります。
この184という数字、ある種の「なぞかけ」のように表紙にデザインされています。
実は184という数字はこの会社で働くクリエイター方達の人数です。次ページ以降に素敵なメッセージと共に記載されているのですが、クリエイターの人数を表紙に表現しているところに企業の色々な思いが詰まっていそうで読み進めたくなりますね。このようにデザインに仕掛けを施す表現もさることながら、シンプルで美しい表紙は企業のセンスを感じます。
続いて事例として紹介させていただく表紙は…こちらもリクルーティングパンフレットです。
このリクルーティングパンフレットは「誰が誰に読んで欲しいか」「内容のダイジェスト」をキャッチコピーとして配置して表紙で表現しています。
内容やターゲットユーザーを表紙で表現するタイプのパンフレットは、企業の関係者から手渡されたり、ユーザー自らが資料請求した結果に受け取ったりという以外に不意に出会うというユーザーとのコンタクトポイントも想定しているケースで多く見られます。
不意に出会うシーンとしては、公共施設やショッピングモールなどを利用している時にロビーや待合スペースのような場所でパンフレットラックに設置されているパンフレットを手に取る…といった時などです。
不特定多数ではなく、ターゲットユーザーに手に取ってもらう為の働きかけとしてとしての仕掛けがこの表紙のキャッチコピーやメッセージ、そしてデザインです。
資格を活かして働きたいママの為のセカンドキャリアのご提案という内容が想像しやすい表紙デザインとなっていますよね。このようにパンフレットと出会うシーンによってはマーケティング要素も加味した表紙デザインが必要になります。
上のリクルーティングパンフレットデザイン制作実績はこちら
さらに、レジ横などのシーンを想定したパンフレットなどの表紙については、追って事例を紹介させていただいております。
シリーズ化の統一感とおもしろさ
続いてご紹介させていただくのは会社案内と営業用パンフレットを同時期に制作させていただいた企業様のそれぞれの表紙案です。
上の会社案内のデザイン制作実績はこちら
下のパンフレットのデザイン制作実績はこちら
会社案内と営業用パンフレット、それぞれの内容のデザインは全く異なりますが、表紙は統一感や連続性を感じるデザインとなっております。
PROMISEとPRODUCTSと、視覚的に似ていますが、全く別の軸からなるタイトルコピーを付けている点もひねりを感じますよね。それぞれでも使えるし、併せても使える、それぞれの内容はレイアウトもデザインも全く異なったテイストでありながら表紙の連続性があるので、例えば店舗や事務所といった来客が見込まれるスペースで2冊がラックに設置してあるシーンではとても映えますよね。
会社案内の制作についてはウェブサイト内の会社案内の制作についてのページでご案内させていただいております。パンフレットの制作についてはパンフレットの制作についてのページでご案内させていただいております。
カタログの制作についてはカタログの制作についてのページでご案内させていただいております。
リーフレットの表紙はどうでしょう?
3つ折りリーフレット等の用途ですと、どのような業種業態であれ、概ね店舗のレジ横が設置スペースとして思い浮かぶと思います。リーフレットスタンドに数枚から数十枚程度が並べられていて、ユーザーが手に取る、もしくは店舗の係の方から手渡される。
3つ折り6つ折りなどの折りリーフレットはイレギュラーな受け渡しとその後の携帯、持ち運びを想定している為コンパクトな大きさに仕上げられていて、情報量が多く情報密度も高めの為、表紙はあるもの裏表紙としてスペースを使う余裕は無いケースもあります。
しかし、表紙の果たす役割は大変大きくなっています。
イレギュラーではありますが、上のような月ごとに掲載内容を変えていくタイプの3つ折りまたはリーフレットの場合、日付・季節感のあるビジュアルなど、ほとんど雑誌の表紙と似ているような情報の構成になっていますね。
裏表紙はスペースの関係上、情報が若干過密状態になってしまいますが、表紙はビジュアルのスペースをしっかり確保して、インパクトがあり、それでいてデザイン性の高い仕上りになっています。
レジ横を想定して考えてみましょう
まず、ご自由にお持ちください。という状態で置かれているケースが多い折りリーフレットですので、表紙は興味喚起させること、次に手に取ってもらうこと。これらの目標を担っています。
もちろん、利用した店舗がとても良い雰囲気でまた来たいというお客様であったり、飲食店であれば別の時間帯のメニューやサービス内容を知りたい等のユーザー側の能動的な持ち帰りも見込めますが、それらのお客様は従来のサービスで常に一定数見込めますので、それ以外のお客様にどれだけ持ち帰っていただけるか‥‥が成否の基準となりますよね。
レジ横というスペースを考え、設置場所を充分に検討し‥‥ここまで考えるともう充分にマーケティング的なアプローチになりますが、広告要素も高めながら表紙デザインを考えるのも面白く興味深いですね。
リーフレットのデザイン実績についてはプロモーションツール制作についてというコンテンツでご紹介しています。
表紙のデザインについて色々と見てきましたが…
改めて、表紙だけを色々と見てみるのもとても面白いですね。
導入部分として表紙を使ったり、中身が何となく想像できる表紙になっていたり、逆にどんな内容なのか全く手がかりの無い表紙だったり…
やはり主流なのは、タイトルと社名を上品に並べたスタイルになるかと思います。
表紙の紙質に拘ったりしているとなおさら世界観を演出しやすくなります。
また、今回はあまり触れていませんが、箔押し加工やエンボス加工など、実は表紙の加工も掘り下げてみるととても凝ったものがたくさんあります。いつか、名刺や封筒をはじめさまざまなペーパーツールの加工についてもこのブログでご紹介させていただきたいと思います。
この機会に日常生活で出会う冊子の制作工程を想像していただけると新しい発見があるかも知れませんね。
さまざまな冊子にご興味をお持ちいただけたら幸いです。
お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
追記――
弊社ウェブサイトのコラムコンテンツ内に会社案内やパンフレット、カタログなどの表紙・裏表紙のデザインについて、デザイン制作事例を紹介しながらまとめたコンテンツをご用意しました。併せてご覧ください。
表紙・裏表紙のデザイン制作事例