情報量の多いページのデザイン制作事例
多くの情報を整理している緻密なデザイン
情報量が多い、情報密度の高いページも情報の並べ方・カラーなどのテクニック次第でとても美しく整理されたレイアウトに仕上ります。スペースが限定されているペーパーメディアだからこその工夫や、また、あえて情報密度を高めることで纏まりのあるレイアウトに仕上げているデザイン事例などをご紹介します。
リーフレット/モーションブルーヨコハマ 様
こちらはモーションブルーヨコハマ様の3つ折りリーフレットのデザイン事例です。
表裏それぞれ片面に3面、合計6面デザインされているリーフレットとなります。パンフレットやリーフレットは携行性を優先すると小型になりますので、それに比例してデザイン可能な面積は減っていきます。
このリーフレットはA4サイズの3つ折りですので、各面は小さくなっていますが、3つ折りの仕様にすることで、表紙・裏表紙・中頁とコンテンツと段落を分けてレイアウトすることが可能になっており、さらにコンテンツ毎に異なる背景色を使用することによってそれぞれ異なる独立した情報が掲載されており、それぞれのコンテンツは縦方向に読み進めていくということが認識できる作りとなっています。
また、それぞれのコンテンツについても、情報量が多いので、文字の視認性を考慮しながらも、コンテンツ毎に異なる版面率・異なるフォントを使い、また、左右・中央、テキストの揃えに変化を持たせるなど、緻密で丁寧に作り込まれた印象を受けるリーフレットとなっています。
学校案内 / 日本医療ビジネス大学校柔道整復科様
こちらは日本医療ビジネス大学校様の学校案内パンフレット制作事例です。 このページは大学の強みを紹介するコンテンツで、カイロプラクティック制度と就職サポートについて解説されているページです。 ターゲットユーザーが学生ということもあり、学生の目線に合わせて、手書き風のオブジェクトを使用したり、動きのある在学生の写真を挿絵のように配置したり、学生と親和性の高いティーン雑誌風のポップな雰囲気を加え、一見して動きのある明るいページに仕上がっています。
それぞれの段落には多くの文字情報が掲載されていますが、段落ごとの余白はバランス良く配分されており、ところどころ背景色を変えるなど、密度の高いページをテンポ良く読み込ませる、飽きさせない工夫が加えられています。
サービスパンフレット / 株式会社PacPort 様
株式会社PacPort様のIOT機器の製品カタログです。 新しい技術を用いた製品では、その使い方やイメージを言葉で伝えることが難しく、多くの概念図やフロー図を用いて説明する為、紙面に多くのイラストが登場します。 こちらの制作事例では紙面の色数を限定しシンプルで軽快な印象を与えつつ、文字情報のフォントサイズ、アイコンサイズなどを小さ目に表現し、それぞれの段落間のスペースを充分に確保して多くの情報をスマートに並べています。
このパンフレットでは特にアイコン、フロー図、インターフェイス画像といった小さなオブジェクトを多数用いて表現することで、言葉や文章で表現するよりも格段に省スペース化していると同時に、ユーザーの理解度を高めることにも成功しています。
商品パンフレット/ 株式会社アイキューブドシステム 様
CLOMO(クロモ)というサービスのサービスパンフレットです。 仕上りA4サイズのパンフレットの観音開き中面のページを事例として紹介させていただきます。IT関連サービスのパンフレットは概念や用語説明のためのテキスト情報が多くなる傾向にあり、それによって紙面の情報密度が高くなります。 アイコンを使い概念図やフロー図などを制作し、サービス内容を説明する手法が用いられるケースが多く、簡略化されたデザインはスマートな印象となります。
このデザイン制作事例では、似て非なるそれぞれのサービスを説明するにあたって、各サービスを紹介するフォーマットのデザインレイアウトは固定しながら、概念図・ダイヤグラム・説明文などでそれぞれのサービスの特徴を説明しています。
印刷物のページ数はコストに直結する問題であるため、ペーパー媒体においては新聞やフライヤーやチラシ等に代表されるような情報を圧縮した紙面作り、具体的には視認可能な限界サイズの文字を使い、情報量に対して使用するスペースを小さくしてコストを削減する工夫がされています。 企業の刊行物としてはIR報告書などでは情報を圧縮してページ数を減らす=印刷コストを下げるレイアウトを採用されている例もあります。 しかし、会社案内やパンフレットにおける情報量の多いページはイラスト・写真・装飾パーツ・ピクトグラムなどを隙間なく挿入することで、ティーン誌のような画面の面白さを演出したり、規則正しく並べられたコンテンツに緻密で丁寧な美しさを感じさせたり、また、あえて情報量を多く掲載することで、網羅性や専門性の高さを表現するなど意図的にレイアウトされている例が多数見受けられます。
これらは一見すると、ごちゃごちゃとした、無秩序なレイアウトとも捉えられますが、実はグリッドを使って丁寧にレイアウトされています。グリッドラインを意識しながら、適度にイレギュラーな装飾要素を入れることで、ごちゃごちゃとした、しかし、緻密で美しく面白みのあるデザインに仕上がっています。